相手方に自分の責任を認める発言をした事例
30代 女性
相談前
依頼者様が駐車場で車両を後退させたところ、後方を歩いていた人(相手方)と接触し、事故が発生してしまいました。そのとき、相手方に強い口調で詰め寄られ、自分の責任を認める発言をしたところ、後に相手方から、「事故直後に謝っていたのだから自分が悪いと認めたのだろう、だから100パーセントの損害を賠償してほしい」と求められ、ご相談にいらっしゃいました。
相談後
この事例では、こちらの責任が100パーセントになることはまれで、通常相手方に10パーセント程度の過失が認められます。そこで相手方に対して、その旨主張すると共に、謝罪したことと、100パーセントの法的責任を認めることとは違う旨通知しました。
相手方は納得せず、裁判となりましたが、約半年後、やはり相手方に10パーセント程度の責任を認める形で和解となりました。
竹村 翔弁護士からのコメント
特に、加害者になったと思っていらっしゃる運転者さんは、相手方に謝りがちです。私は、それ自体はとても正しいことだと思っています。
ただ、それを後になって、揚げ足取りのように利用されることもあります。
よほどの事情がなければ、謝ったからと言って全責任を認めたことにはなりません。
このようなケースでご不安を感じられた場合には、落ち着いて弁護士に相談して下さい。